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○股関節捻挫(脱臼)

【総論】

股関節捻挫とは、股関節の正常可動域以上の運動を強制することにより起こる関節の軟部支持組織(関節包・靭帯など)の損傷を言う。


股関節脱臼とは、上記と同様に強い外力が加わることで、股関節が外れることを言う。多くの場合は、関節周辺の軟部支持組織(関節包・靭帯など)の損傷を伴う。


ここで説明する股関節脱臼は、後天性股関節脱臼であり、産まれた時に生じている先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)※でない。

※先天性股関節脱臼とは、厳密には生まれる以前から脱臼していることは稀であるが、股関節形成不全や不安定な状態の結果、徐々に脱臼していくことを言う。


股関節は、肩関節と同じ球関節であるが、関節窩が深く、関節窩周辺に多くの靭帯が関節を補強しているため、荷重に耐えられる構造になっており、逆に肩関節のような可動性はない。


この股関節の靭帯は、股関節が屈曲位のときすべて弛緩する。

それは、股関節部の靭帯は、人間が四足歩行をしていたときの骨盤と大腿骨の関係で靭帯が形成されているため、二足状態では骨盤が起き上がり、靭帯は大腿頚部周辺に巻きつくように捻じれている。


その発生学的構造上のため、股関節は主に伸展方向の可動域が少なく、伸展する運動の強制により捻挫を生じやすい。

靭帯 屈曲 伸展 外転 内転 外旋 内旋
腸骨大腿靭帯(上)
++ +
腸骨大腿靭帯(下)

++




恥骨大腿靭帯

++



坐骨大腿靭帯






大腿骨頭靭帯






【好発スポーツ】

 

タックルのある競技。股関節に無理な体勢や負荷がかかる競技。


ラグビー、サッカー、アメリカンフットボール、フットサル、相撲、柔道など。

【症状】

・股関節捻挫の場合

股関節の動きの角度によって限局した痛みが生じる。

特に捻挫を生じたときと同じ向きに捻る(もしくは伸ばす)と強い痛みが生じる。

捻挫により損傷した靱帯には圧痛もある。

股関節周辺、特に外力が加わった時に、負荷が強くかかった筋肉にも過緊張によるハリや痛みが生じていることもある。


・股関節脱臼の場合

股関節の脱臼しているため、正常の位置とは逸脱し、可動制限が起きる。 その際、周りの靭帯が損傷を起こしている場合、それによる痛みや筋肉の過緊張が生じる。

股関節を構成している靭帯は、体の中で最も強い靭帯であり、そのため、その靭帯が収縮している中で、整復することはとても困難で、激しい痛みを伴うことが多い。