○ぎっくり腰(筋・筋膜性腰痛症)

【総論】

大きな外力が作用したわけではないのに、急に腰痛をきたすことを、俗にぎっくり腰と言う。

欧米では、その病態から「魔女の一撃」と言われている。


正確には、ぎっくり腰と言う病理学的な病気があるわけではなく、急性腰痛の総称で、運動神経麻痺や感覚神経鈍麻などの神経症状を示さない腰痛、筋・筋膜性腰痛症を指して言うことが多い。


筋・筋膜性腰痛症とは、何かしらの原因により腰部にある筋、または筋膜に痛みが生じることを言う。画像検査では、骨などの異常はみられない。


ぎっくり腰で病院へ行くと多くの場合、エックス線撮影をすぐ行なうことがあるが、悪性腫瘍や骨折などの重大な脊椎病変の可能性がない限り、患者への被爆リスクや経費の面で、急性腰痛患者に対して画像検査(エックス線撮影、CT、MRI)を日常的に行なってはならないというのが、近年の世界的見解である。

ちなみに、悪性腫瘍や骨折などの重大な脊椎病変の可能性は、詳細な病歴聴取と簡単な理学検査で判別が可能である。


また、一昔前はぎっくり腰になると安静が第一と考えられていたが、その科学的根拠はなく、近年のさまざまな研究からは、むしろ安静にするべきではないと言う世界的な見解になっている。


その代表的な研究を一つ示しておく。

【研究論文紹介】・・・急性腰痛は安静はダメ

1995年、Malmivaara Aらによってニューイングランド医学ジャーナルに発表された研究で、急性腰痛患者186名を対象に、2日間の安静臥床群、ストレッチ群、耐えられる範囲内で日常生活を続ける群に無作為に割り付け、その後の経過を追跡調査した。


結果、3週間後と12週間後のどの時点においても、もっとも回復が早かったのは日常生活群で、もっとも回復が遅かったのは安静臥床群ということが分かった。

【好発スポーツ】

スポーツ全般。


腰への負担がきっかけになることもあるが、統計的には意外と強い外力が原因になっているわけではなく、日常生活の中で起こることが多い。

(症状】

不意な動作や何気ない体勢から、急に腰部に違和感が起こり、腰部に力を入れることができなくなる。

名前が示すように「ぎっくり」と言う感覚。

それと同時に動かすと激痛が走るようになり、激痛による腰部の緊張も強くなっていく。


また、ぎっくり腰になると腰をかばう様に動かすため、身体全体の緊張と疲労感も自覚することが多い。



☆ 腰痛に関して、詳しい情報を知りたい方は、

腰痛情報サイト「腰痛治療の今 変わる腰痛の常識」をご参照ください。